アメリカの映画配給会社Legendaryが、90年代のセガと任天堂のゲーム機戦争を描いたノンフィクション小説「Console Wars: Sega, Nintendo, and the Battle that Defined a Generation」(邦題 セガvs.任天堂 ゲームの未来を変えた覇権戦争)のドラマ化に着手した。海外メディアNerdistが報じている。
原作となる「Console Wars」は、2014年に発行されたブレイクJ.ハリス氏のノンフィクション小説だ。1990年代にアメリカのゲーム市場の90%を独占していた任天堂に対するセガの挑戦と成長、そして転落を描く。
寡占状態のアメリカゲーム市場で、型破りな販売・広告戦略を使ってセガを一挙に任天堂と並び立つ存在へと導いたトム・カリンスキー氏を中心人物に置き、セガ本社の中山氏や任天堂、ソニーの動向といったゲーム業界の情勢を、テクノロジーではなくビジネスの観点で俯瞰している。
ドラマ版「Console Wars」は「キングコング:髑髏島の巨神」、そして映画版「Metal Gear Solid」のジョーダン・ヴォート=ロバーツ氏がディレクターを務め、マイク・ロソリオ氏がパイロット版制作を務める。また、Point Grey Picturesからセス・ローゲン氏とエヴァン・ゴールドバーグ氏、ジェームス・ウェイバー氏らが監督となる。
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2014年にセス・ローゲン氏とエヴァン・ゴールドバーグ氏のコンビが「Console Wars」の映画化に着手したことが伝えられていたが、こちらはこれまでに続報がないままだった。今回のドラマ化ではこのコンビもクレジットされているが、最終的に映画化ではなくドラマ化という形になったのか、あるいは映画化計画も進行しているかは伝えられていない。
もともと本書は映画化を視野に入れており、2014年に発表された映画もそのひとつだった。発表から4年間音沙汰なしということで頓挫したかとも思われたが、小説自体が長編ということもあり、ドラマ化に適した作品だと方針を転換したのかもしれない。
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原作者のブレイクJ.ハリス氏は、ドラマ化の発表に喜びの声を挙げている。セガと任天堂がかつてアメリカ市場で起こしたコンソール戦争を映像で楽しめる日を心待ちにしたい。
文/古嶋誉幸